ボクシングトレーナーとして世界を股にかける父とバブル期のアパレル業界を生き抜いた母の間に生まれた私は超インドアな一人っ子でした。
「曲がったことが大嫌い」の権化のような母の血を引き、小さな頃から正義感と愛嬌だけは一人前。
と同時に子供ながらにちょっとのズルなんかにも耐えられないかなーり繊細で不器用な子でした。
おまけに壊滅的な運動音痴でクラスになじめないという小学生の洗礼あるあるを見事体現。
気づけば日課は現実逃避。
放課後は毎日テレビと会話。小学生ながらにファッション誌をボロボロになるまで読んでいました。
そして何よりの心のよりどころが音楽。大好きな音楽が血となり肉となっているような感覚は小学生のときからありました。
だから、小学校のクラス内でアンケート調査をするという授業で「好きな曲は?」というアンケートを取った時に、ほぼ全員が同じ曲を答えてきたときは衝撃でした。
好きな曲がないから、みんなで合わせて知っている曲を書いたらしい。人生最大にギャップを感じた瞬間でした。
自分が身を置く社会に、趣味とかそういうレベルではなくて自分にとって必要不可欠なものが理解もされないのか…というショックはかなり大きかったです。
そんな感覚を高校生まで引きずっていました。
とにかく生まれ育った福岡の田舎からは手の届かないものをひたすら一人で眺めている子供時代を送ってきました。
そんなこんなで私の脳内はとうとう時代まで飛び越え、昭和、特に戦後から70年代の東京に想いを馳せるように。
新しい家電にみんなで感動したり、テレビの中にはみんな大好きなスターがいたり、東京オリンピックへの期待による一体感…私の生活からは程遠くてキラキラして見えました。
(この感覚がのちに将来を決めるヒントになるかも。)
そして、自分の好きなことが全部東京にあるという理由で上京しました。
大学1年生で念願だったCDショップでアルバイトをはじめると、同じ音楽を好きな人、同じ時に同じファッション誌を読んでいた人たちと出会うことになるのです。
1人で現実逃避していたはずが、新たに何かを発見するきっかけになったりするのです。
誰かと何かを共有することがこんなに楽しいことなんだとやっと知ることができました。
あんなに人見知りだったのに、今では人とご飯を食べることが一番の幸せです。
小さなころから映画やドラマのセリフ、歌詞や広告のコピーなど、目や耳にした「言葉」から良くも悪くも影響を受けることが多く、言葉の裏側をぐるぐると考えるクセがありました。
だから何となく広告制作に興味をもち、大学3年生の夏休みにとある広告制作会社のインターンシップに参加しました。
そこで学んだことは、企業って誰かの想いでできているんだということ。
それを探っていくのが楽しくて楽しくて、私は広告を作りたいんじゃなくて、世の中に隠れている想いをカタチにしたいんだなと気づきました。
古い広告、歴史モノの映画、昔ながらの喫茶店、昭和歌謡、ドキュメンタリー……思えば私は昔からの文化や伝統が感じられるものが大好きでした。
どこかの誰かが大切にしてきた価値観に共感して、カタチにして文化として残して、過去と未来を繋いでいきたい。それこそ誰かと何かを共有することの最大のかたちですよね。
それができれば、粋な世の中が作れるかもしれない。そんなことができる人になりたいというのを軸に就活を始めました。
業界よりも理念に共感できる会社を探した結果、心を打たれたCMを作っている会社を必死でさがして行きついたり、ブライダルやホテル業界にもたどり着きました。
しかし、たどり着いたは良いものの世の中の就活といえば、就活となると知らない人たちに囲まれて、順番に質問に答えていくことの繰り返し。
周りの就活生との経験の差に圧倒される毎日。
やりたいことを探しているはずなのに、急に自分を試されている感じに違和感しかない。
面接で「練習が足りない」と言われることもあり、反省と同時に「これから練習した自分で生きていかなきゃいけないのか?」という不安を抱き、何を信じてよいかもわからなくなってきました。
そんなときにナビサイトのおすすめ欄に突如現れたインビジョン。「想いをカタチに。」というシンプルにして私のやりたいことを一言で言った理念に一瞬でビビっときました。
気づいたら開いていた動画説明会では、誠吾さんをはじめ社員のみなさんの言葉ひとつひとつに「それだー!」が止まらず。
特にインビジョン自体が人を主体として、100年後を見据えているところが激熱でした。
「うちの会社はアットホームで~」という会社はよくあるが、インビジョンからは微塵のうさん臭さも感じず、まさしく素の温かさを画面越しに感じました。
この会社には絶対に出会わなくちゃいけないし、100%本心で向き合わなきゃいけない。そう思って迷わずFriday Cafe選考に応募しました。
何も構えずお話していると、誠吾さんが突然「いいと思う。何がいいってこんなに自然な子いない」と。
その瞬間、昨日まで思い詰めていた「もっと自分を用意しなきゃ」という葛藤がすっ飛んでいきました。間違ってなかった。すべて間違いじゃなかった。
素の自分だからこそインビジョンにちゃんと出会えた。出会いひとつで自分を認めることができるってすごい!
後日プレゼン発表のためオフィスへ行くと、入口に「これから一緒に頑張ろう」というメッセージ。早くも圧倒的ホーム感にうるうる。
プレゼンでは、就活で感じた違和感と「内定じゃなくてこれから生きていく場所を勝ち取りたい」という思いをぶちまけるとみなさん心から共感してくれる。
さらには「ももちゃんって愛嬌だと思う。大事にされてきたんだね。」って、何も武器を持たない私が唯一ちょっとだけ誇れるところを一番に認めてくれる。
私の居場所はここだと確信しました。
最近、突如YouTubeのおすすめ欄に現れた、宇宙のでかさをただただ見せられるという動画を観まして。
正しさの基準もぶっ壊しそうなくらいデカい宇宙で生きてるんだと知ってしまい、それ以来、人生って「ものごとの本質を、自分でどれだけ感じ取って表現できるか」かもなあと初めて本気で考えるようになりました。
行きたいところに行く、会いたい人に会う、見たいものを見る、聴きたいものを聴く。
とにかく自分の「〜したい」に敏感になって、あいまいな情報はとことん深堀って、ルーツを知って初めて「好きだ」「嫌だ」を表現できる人間でありたいです。
自分に合っている表現方法はやはり書くことですね。
自分の言葉を誰かに納得してもらえたり、ハッとさせるきっかけになったりするのがすごく嬉しい。
おダシ屋で働く上でもその役割を担わなくちゃと思っています。
だれかのルーツを探って、よい表現をして、それに共感する人が集まって、世の中があったかくなる。
そういう状態をたくさん作れると幸せだなあ。
宇宙人 ルーツを探り 愛みつけ
語感(五感)に染みる 想いをカタチに