「二番目の子はほったらかしがち」みたいな育児あるあるってありますが、私の場合は逆。
弟とは年子だったので、1歳にして親の手は新生児の弟の元へ。姉の私は、さすがにほったらかされまではしないけど、母曰く「自分で育っていた」そうです。
親が面倒みなくても、とりあえず自分で何でもやる、そんな子でした。
保育園では隣のクラスにいる弟に靴下履かせに行って、はじめてのおつかいは4歳頃、マヨネーズ買いに行ったの覚えています。
人の気質って、生まれ持ったものと経験から成るものがあると思うんですよね。
私の場合、1歳から培った行動力のおかげで、児童期になんとなくみんなの先頭に立つようになり、
以降、リーダーとして振る舞うことが「私の当たり前」になっていました。
即断即決、率直な物言い…女子と後輩からの人気は抜群。
そして、元々勉強が好きだったから成績も良くて、これ、どこからどう見ても「優等生」ですよね(自分で言っちゃいます)。
でも、それって良し悪し。
今、振り返ってみると、優等生扱いされるようになってから私の判断基準は「他人軸」になっていたのだと思います。
「今、どう発言したら空気的に正解か」「いい人としてどう行動しようか」。
あれだけまっすぐだったのに、ちょっと計算するようになった…。
でも、大人の世界って、そっちのほうがうまくいったりしませんか。
私、初めての会社では昇進スピードも速く、いわゆるバリキャリの部類でした。
ところが、20年の節目を目前に気づいたんです。
昇進は実力ではなく、器用に「右向け右」で立ち回ることができていたからで、だから今、この地位にいるのではないかと。
信頼している上司にこんなことを言われました。
「最近、日下さんらしさがなくなってきたね。前はもっとまっすぐだったのに、周りの顔色伺っていない?」
この頃、小さなことがうまくいかなかったり、それが別の問題に影響したり、とにかくもやもやしながら仕事をしていたのは事実。
考えました。何故、もやもやしているんだろうと。
結論、今のポジションで求められていることに私の実力が追いついていない。だから自分に対する苛立ちが「もやもや」なのだと。
ここまでこれたのは、偽りの優等生ヅラが組織にはまったからだけの話。八方美人だっただけ。
退社を選びました。
会社に対しても、自分に対しても不誠実な気がしたからです。
優等生は模範的行動を期待されるから、自分を抑えてgood personを演じがち、って本当にその通り。
私は身を持ってそれを学び、染みついたものを今解放しつつあります。
2社目は教育機関。
新規事業の立ち上げフェーズにあって、バックオフィスをつくりあげるようなことを任されました。
業務内容とはウラハラに、社風はだいぶラフでこれまでとは正反対。
厚くなった優等生ヅラのピーリングとしては、よい環境でした。
ここで鈴木さんに出会ったわけです。
ランチしながら「今、おもしろい会社にいて~」とコーポレートサイトのリンクをもらったのが私とインビジョンとの出会い。
「働く幸せを感じるかっこいい大人を増やす」って凄くないですか?
インビジョンってそんなことを考えている会社なんだと教えてもらった時、単純にびっくりしました。
これまで自分が考えてきた「かっこいい大人」には
働くことを幸せに感じているかそうじゃないか、なんていう指標が存在しなかったから、正に目からウロコ。
何!?その会社!!!って。
それ、どういうことなのか興味津々でした。
そして、関わっていた事業が一段落したということもあり、誠吾さんと智菜さんから面接してもらうことに。
誠吾さんに「お子さんに(自分のことを)どう思ってもらいたいですか?」と尋ねられ
「あぁ、そういうことか」となんとなく見えてきたと思います、自分の目指す姿。
息子には、そりゃ「ママ、すごい!」と思ってもらいたいです。
優等生ヅラの名残ではないですよ。そういうことじゃない。
意志もなく淡々と日々を「こなす」だけの大人ってつまらないですよね。惰性でしかない。
そして、私に染みついていたものも正にそれ。ええかっこしいの惰性。
周りの評価というかステイタスというか、とにかく外見だけかっこつけるのは終わり。
メイクがいくらうまくても、スキンケアをちゃんとしてないと、そのうちメイクものらなくなります。
私が目指すものはつまりはそういうこと。すっぴんで勝負できる大人になります。
「恥ずかしくない行動をする」という表現がありますが、目標はそれを上回ること。
息子がちょっと成長した時、「ねえ、ママ、今日の仕事の話を聞かせて」と言ってくれるような
ママを通して自分の将来像に明るい希望を持てるような、そんな大人になります。
ワクワク。
私は、この一連の経験が自分の人生の節目だと思っています。
いろいろな人に支えながら自分に向き合う貴重な経験ができました。
諸法無我(人やモノは常に変わり変化するもの)、そんな境地です。
幼児期の私、学生時代の私、新入社員の私、マネジメントをする私、育児と仕事を両立する私
環境が違うのに、全部同じ「私」でいていいはずがない。
同じであろうとするから困難が生じてしまう。
「人は変わっていい」私はようやくそれを知ることができました。
インビジョン的に「働く幸せを感じるかっこいい大人」を増やそうとするならば
私はここに至るまでにいただいたご縁を、悩める大人へまたつなげていきたい。
仕事は人生の一部。
働くことの「何」で幸せを感じるのか?
それは自分の価値観次第、そして自分の価値観は人生の積み重ねだからどんどん変化する。
悩める大人が多いのは、それに気づけていないから。
私だからこそ、その気づきのお手伝いができるはず。
ステイタス 薄い価値観 必要ない
求める人生 ワクワク重視