

インビジョンの佐々木です。
休日は子供と遊ぶのが、日課になっています。とても豊かなひと時です。
最近、子供とよく遊ぶ近所の公園の木でできたアスレチック風の遊具が使用禁止になっていました。子供のお気に入りの遊具だったので残念だったのですが、利用禁止の理由が
「子供がよく怪我をすることで、多くの苦情が入ったから」
だというのです。そんなことがあっていいのでしょうか。
現代はこういう、危険から子供を遠ざけることが解決策だというふうに社会全体がなっていることに、ものすごい違和感を感じざるをえません。小さい頃から危険から遠ざけられた子供たちが実際に危険と対峙した際に、いったいどのようにして対処できるようになるのでしょうか。
子供は多少危険な目に遭ってでも、失敗から学ぶことは多いわけで。現代の子どもに対する向き合い方に強烈な違和感を覚える今日この頃です。
さて本題ですが、今私が強烈に苦戦しているのが、メンバーのストレス耐性との向き合い方です。そもそもメンタルの波がほとんどなく、そこそこ胆力もあると自負している私にとって、もっとも共感的傾聴がし難い分野であります。
インビジョンでは毎月の月末、祭りのような盛り上がりを見せます。そんな月末に熱が出て休んでしまう営業メンバーがいます。月末に営業メンバーが熱で休むことほど脅威的なことはありません。
当の本人は本当にきついから発熱するのでしょうが、私は正直「まじでなんなんだよ〜〜。いままでどんな優しい人生を送ってきたんだ」と思ってしまっていました。
私は彼をただ「ストレス耐性がないやつ」として脳内処理してしまっていました。しかしこれでは何も解決しません。これではまた月末に熱で休まれてしまいます。
人生、生きていく中で様々起こるエラーは、向き合うことでしか解決できません。ですのでこの”ストレス”なるものにしっかり向き合ってみようと思いました。
そもそもですが成果を出すためには、ストレス耐性=胆力は絶対的に必要です。仕事も遊びも思考もなんだかんだ胆力。
AIによって働き方が変わっていく中で、人間に対して求められるものは肉体的、精神的なタフネスだと思います。つまり胆力です。社内のメンバーがタフネスで溢れると、きっと選択肢も増えてくるはず。
メンバーの育成で悩み、初めて”ストレス”と向き合ったことで、「捉え方を変えさせる」ことでストレスによって引き起こされる不調はコントロールできるものだとわかるようになってきたのです。
結論から言うと私は、胆力は高強度な身体的/精神的負荷(=ストレス)に自身を晒し慣れていくことによってのみ鍛えられるものだと、誤解していました。ストレス耐性の本質を見抜く重要なキーワードは「捉え方」です。
「ストレスは万病の元」と言う言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。実はこれは、半分正解で半分誤解です。
そもそも「ストレス」と言う言葉が社会に幅広く浸透し、日常的に会話の中でも使われるようになったのは80年代のバブル期だと言われています。
日本は東亜戦争後驚異的な戦後復興を遂げ、高度成長を実現し西洋の先進国をたった30年弱で抜き去ることになり、私たちの生活はとても豊かになりました。
当時は「24時間働けますか」をキャッチフレーズにした栄養ドリンクが売れ、現代の日本では考えられないほどイケイケな時代は人々を体力的に疲弊させていきます。
その後バブルが崩壊し、経済の低迷と並行して仕事現場を中心に、ストレス=悪と認識する考えがより広まって行きました。
これと同時に非正規雇用の労働者の増加が社会問題になるなど、働く環境も大きく変化し、「ストレス社会」という言葉とともに、ストレス=悪という意識が広く根深く社会に浸透していくことになります。
メディアではしばしば、ストレスが健康に悪影響を与えるものとして扱われるようになり、ストレスは避けるべきものとしてのイメージが世間一般に浸透していきました。
このような経緯から「ストレス自体を病気のように捉える」という誤解は非常に根強いです。
一方でこの捉え方を覆す、ストレスに関する面白い追跡調査を発見しました。
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1998年に、「過去1年間にどの程度のストレスを感じたか」「ストレスは健康に悪いと考えているか」とインタビューしたデータを、8年後の2006年までの全国死亡率データとつき合わせて分析したものだ。
これによると、「ストレスが健康に悪い」と考えていた人たちは、他のグループに比べて死亡リスクが高かったのだ。
一方で、高いストレスを感じていたものの、ストレスを「健康の一部や成長の機会」とポジティブに考えている人たちには、死亡リスクの増加は見られなかったという。
この結果から、ストレスそのものよりも、ストレスを「悪いもの」と捉えることが、健康に悪影響を与えてしまう可能性がみてとれる。
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ストレス自体が病気の原因ではなく、ストレスに対する過度なネガティブ反応によって病気が引き起こされている可能性があると言うことです。
逆に言うと、ストレスをポジティブに捉えることさえできれば、不調は起きないことになります。今まで高ストレス下に自身を晒して順応していく、という荒療治しか脳になかった私にとっては、目から鱗のアプローチでした。
社会は問題だらけで、ストレスだらけです。これを回避して生きていくことは絶対的に不可能です。ノーストレスな人生はあきらめるしかありません。重要なのは捉え方ということです。
モノゴトには絶対的な意味はありません。
モノゴトが起きる、起きないをあなた自身がコントロールすることは絶対的に不可能です。そんなことに考えを巡らせ、悩み時間を消費する意味がありません。ただあなたが”どう意味付けするか?=どのような感情を抱くか?”に関しては100%あなた自身がコントロール可能です。最初の意味づけ次第で、その後の行動とそれに伴う結果が変わります。
あなたの意味づけ次第であらゆるモノゴトがエンタメ化します。人生がおもろいものになるかどうかは、100%あなたの意味づけ次第ということです。これを楽観主義と言います。
あらゆるモノゴトがエンタメ化する、ストレスをもエンタメ化させる、楽観主義に関しては下記の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
私は、高ストレス下に自身を晒して順応することのみで胆力が育まれるという誤解から、メンタルが弱い人と対峙するとイライラしてしまっていました。しかしこれは間違え。一歩間違えれば、人を潰しかねません。
重要なのは捉え方を変えさせること、これはコントロール可能です。
メンバーへの楽観主義のインストール、ぜひ実践してみてください。
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