言葉:吉田誠吾(@hi-seigo)
2023年5月8日、新型コロナウィルスが5類感染症に移行。4年にわたり私たちの生活を揺さぶってきたコロナは終焉を迎えたのかもしれません。ただこの4年間で、過ぎ去った時間と無駄な借入が圧迫。今もなお、まるで激しい運動後の筋肉痛のように体のあっちこっちで悲鳴を上げている、そんな経営状態の中小企業は多いのではないでしょうか?
2020年に「セーフティネット保証4号,5号」「危機関連保証」といった資金繰り支援措置が発動。通常の借入限度額よりもオーバースペックな借入をして、2023年8月以降、今まさにキャッシュの圧迫に苦しめられている中小企業も少なくないんだと推測します。私たちインビジョンも2023年4月からの16期目、身の丈に合わない借入金額を調整するべく、ランニングコストの見直し・圧縮をトコトン敢行。そんなタイミングで、2023年7月14日宮崎駿・監督の引退を撤回して挑んだ長編アニメーション作品「君たちはどう生きるか」が公開。「これ自分に向けたメッセージなんじゃない?」と自分と同じように、胸がザワザワした経営者も、いたりいなかったり。
日本能率協会の実施した「当面する企業経営課題の調査」では、
という結果。まとめると、短期的には「収益性向上」。中長期的には「人材の強化」が経営課題のテッパンなんですね。「人材の強化」をするのは、5年後の「事業基盤の強化・再編」を進めていくための組織開発なんだと思いますが、老舗企業の経営者と壁打ちをさせていただくと、必ずと言っていいほど耳にする言葉が「事業継承問題」。
経営者の役目として重要なミッションが、次の世代にどうバトンを渡すか、という出口戦略(イグジットプラン)。方法は大きく4つ。
「100億円よりも、100年続く会社を作る」と腹を決めている自分は、事業継承にしかロマンを感じていません。(今のところ完全に自分のエゴなのかもしれませんが)。想いだけでは100年続く会社はできないので、「経営基盤の仕組み化」はもちろん、戦略的な事業の体質改善が必要不可欠です。オーナー経営者にしかできない、再現性のない事業では、100%・次の世代にバトンを渡せないですもんね。
出口戦略を考える上での第一歩が、現在地を知ることだと思っています。そこで考えたのが「もしも、今自分が死んだら、会社は生き残る?死ぬ?どのくらいの期間、事業継続できそうか?」という社内アンケート=Dead or Aliveを実施してみました。(どう回答されても、歯痒い想いをしますが、おススメです)
結果はというと、↓こうでした。
そして、一番難易度が高く、厄介だけど、経営者が避けて通れないのが、「未来のトップチーム育成=後継者育成」なんです。
事業継承問題・最大の難関でもある「未来のトップチーム育成=後継者育成」。経営者がピンピンしている現役の間に、チーム・組織のど真ん中に共鳴するチームを育てることができれば、事業継承問題80%は解決したと言ってもいいのでは?解決した時の感覚は、三ツ矢サイダーを一気に喉に流し込んだ時のシュワシュワな爽快感に近いのかもしれません。
じゃあ、どうやってトップチームを育成していけばいいんだよ?とツッコミが入りそうですが、小見出しにも書いたとおり、経営者1人が孤軍奮闘しても、トップチームは作れないんです。先日、WBCで優勝・日本チームを率いた栗山監督は、国内・メジャー問わずいくら成績を残している選手でも、「チームのことを一番に考えられる選手」じゃないと代表チームに選考しなかったと聞きます。
サッカーをはじめ、スポーツ界では、監督・コーチ・各分野の専門家・下部組織など、中長期での人材・育成への投資を試み、ジリジリとチーム全体をボトムアップさせながら、トップチームを飛躍させています。個人的に大好きなサッカー・バルセロナFCのトップチームは、下部組織上がりの選手比率が90%。ビジネス界でも、参考になるネタがゴロゴロ転がっているじゃないでしょうか?
お待たせしました。私たちインビジョンが推奨しているトップチームを作っていくやり方は、まず最初に「最大7名のプロジェクトチームを立ち上げましょう」です。事業継承問題に頭を悩ます経営者の方々は、まず中目黒にあるインビジョンオフィスに遊びに来ていただき、会議室の黒板で3年〜5年後の未来のトップチームを今の役職関係なく、書き出していただくことからはじまります。
人選する際に、「ビジョン体現度」「考え抜く力」「意志がある」などポイントがいくつかありますが、中長期にわたってトップチームを一緒に作っていく仲間なので、「信頼できる人間かどうか?」という人間性が肝なんです。
一般的にリーダーシップに必要な行動特性は「変革志向」「成果志向」「戦略志向」の3つが大事だと言われていたりしますが、大事なのは1個だけで、すべてはその人がどういう人間であるかにかかっていて、 最後の最後まで大切なのは、その人がどんな人間であるか「だけ」なんだと思います。
では早速、紙とペンを用意。実際に会社のメンバーを思い浮かべながら、最大7名の名前を挙げてみましょう。部門ごとに1名いると最適かもしれません。というのも、今後、このプロジェクトのメンバーが、会社全体に浸透させていく役割を担うので、部門ごとに1名いると次の展開がスムーズになるからです。
プロジェクトメンバー決定後、初動では5つのステップに分けられます。
チーム・組織のど真ん中の浸透度などを数値化できるおダシ診断を無料で提供させていただいております。20分ほどで回答できる内容なので、心の穏やかな隙間時間で、トライしてみてください。
このおダシ診断テストを実施するメリットは2つ。
実際におダシ診断を実施していただいた経営者から、「こんな視点で経営を考えてこなかったので新鮮で、頭が整理整頓できたよ」「どこから着手していくべきか明確になった」といった声もいただいております。以前のコラム「振り返りの肝」の中で触れましたが、人間の呼吸は「すう」「はく」。順番は「はく」→「すう」の順番なんです。現在地を知り、吐き出すこと=整理整頓からまずは実施していきましょう。
そろそろこのコラム、まとめます。いいチーム・組織を作っていくには、経営者だけで孤軍奮闘するのではなく、プロジェクト化して実施していくことをおススメします。その際のポイントは、経営者の脳内オープン化が肝なんだと思います。ご自身が思っている以上に、まわりにオープン化できていない中小企業がほとんどだと思います。お恥ずかしながら、私・吉田も脳内オープン化できたのは、ここ数年で。設立から10年目までは、全然オープンにできてなかったんだと反省しております。
最後に、プロジェクト化して何がメリットなのか?といえば、「ピンチの時に助け合える仲間=本質的な人のつながり」を実感できるようになったこと。仲間の力強さと深い感謝に包まれることがしばしばおとずれることにつきます。
それでは、また来月コラムを書きます。共にごきげんなチームを育て、日本を元気にしていきましょう!
#忠恕
#ご機嫌な人生を
#数値を掴むのは当たり前。心を掴むんだ!
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